top of page

ユーズドジュエリーってなに?

意外と知らないジュエリーの価格
111.jpg

皆さんがよく手にするジュエリー、宝飾品は様々な種類やデザインがあります。店舗やメーカー、デザイン、素材が違えば価格もバラバラですね。価値のあるものとそうでないものは何となくわかるのですが、同じような商品の場合、何がどう違って価格に違いがあるのか…専門家でないとわからないというのが実情です。

そこで、ほとんどの方は専門店、百貨店に行き、そこにいるスタッフ(専門家?)に聞きながら「店の方が言うから間違いない」と思い、購入していると思います。

確かに、有名メーカー、ブランド店(大手百貨店に入っているお店やブランドなど)の商品はほとんど間違いありません。当たり前ですが、彼らは「ブランド」という信用で商売をしているからです。

112.jpg

これはジュエリーに限ったことではありませんが、一般論としてブランド力の高い商品はその分価格が高くなります。極論すれば全く同じ商品でも「ティファニー」「カルティエ」のロゴが付けば価格は高くなります。

ジュエリーを好まれる方の多くはこのブランド力、つまり、信用力で価格を納得し購入ます。一部の特殊な富裕層は別として(少なくともこの記事を読まれている方は違うと思いますが…)、安心という対価を上乗せした価格として購入するのではないでしょうか?

特に、日本人はこの傾向が強いように思います。その中でも年齢層の高い方が多いかと思います。(理由はここでは省きます)

しかしながら、この安心という対価はいくらなのか、誰にもわかりません。比較をしたことがないからです。もし、ブランド力(安心という対価)がいくら、という内訳があればわかりやすいのですが・・・。

ginza.jpg
ジュエリーの一般流通形態

例として、真珠のピアスやネックレスを挙げ、どのように小売店や百貨店に陳列されるか見てみましょう。(例は真珠の部分だけにいたします)

ジュエリーの一般流通形態

間に入る加工業者から末端の小売店まで、わかりやすく全て利益率を30%としました。

真珠の養殖業者が10,000円で販売した真珠が、店頭に並ぶ価格になると60,000円と6倍になってしまいました。

実際には、加工業者や、メーカーの販売額には人件費、広告宣伝費などが加わるため、もっと高価なものになります。

これを見ておわかりの通り、間に入る会社が入れば入るほど、ものの価格は高くなります。そして、最も高いコストがメーカーが展開する「広告費用」つまりブランドにかける費用なのです。

 

 

 

そこで一部大手メーカーは生産業者(養殖業者)や加工業者を自社で賄うことを考え、少しでも中間マージンを減らし、価格を下げようと努力しています。

ジュエリーの一般流通形態2

販売価格を30%ダウンすることに成功しました。

更に販売ルートを工夫すれば(自社独自、卸売り業者を省く)もっと安くすることが可能になります。

次は小売店オリジナルブランド商品のケースです。小売店自ら生産者に行き買い付けを行い、自分の眼で選び、小売店自らデザイン・加工をし、製品化して販売します。つまり、小売店がメーカーとなります。(小売店の利益率を50%としています)

ジュエリーの一般流通形態3

これは、卸売業者の言い値にならず、慎重に良いものをを安く仕入れようとし、製造段階でも加工やデザインなど無駄な費用を削減し、できるだけコストを安く抑える努力を行うようになります。

 


今は良いものでないと売れない時代です。

他の小売業界では当たり前に行われている努力がようやく始りました。

ユーズドジュエリーの流通形態
116.jpg

もう一つの新しい流れとして、ユーズドジュエリー市場の拡大が挙げられます。
ユーズドジュエリーの流通が日本でも本格化してきました。

一度購入したものを手放し、中古品として販売する流れが中古市場、これがユーズドジュエリーです。

ユーズドジュエリーの流通形態

卸売業者、または小売店で買い取った商品を新品仕上げ(加工)※1をし、新品と同じ状態にして販売します。購入者からすると、新品に近いクオリティで安く手に入るという大きなメリットがあります。

買い取り業者やオークションは一般の方が売却したり、購入することもできます。当然、直接購入すれば安く買うことができます。しかし、中古車や中古マンションなどの不動産と同じで、購入は自己責任となりますので、商品についての知識がないとリスクが高く、また、買い取った状態での販売のため、新品仕上げも施されていません。

ここは、安心して購入するために、信頼できる販売会社、小売店から購入するほうがよいのではないでしょうか?これが私たちの役割になります。

 

※1 新品仕上げ
ユーズド(中古)というと、どんな人が身に着けていたのだろう、どんな使い方をしていたのだろうか、などネガティブなイメージを持ち抵抗を感じる方は多くいます。そこで、安心して身につけていただけるように、買い取ったジュエリー全品に対して洗浄、修理、磨きをかけ新品同様にすることを「新品仕上げ」と言います。

dc01d189c478ee0a2a2c69254299a07c_s.jpg

ユーズドジュエリーの魅力

  • ユーズドジュエリーの価格

ユーズドジュエリーの魅力は何といっても「価格」です。
新品に比べリーズナブルな価格でお気に入りジュエリーを見つける事ができることが大きな魅力です。
ブランドジュエリーなど、廃版になってしまい新品では入手できなくなったアイテムや1品ものをはじめとした、手づくりでしか表現できない繊細な美しい形のもの、昔懐かしいデザインから今流行りのライトジュエリーまで、お気に入りのジュエリーをリーズナブルな価格で見つけることができます。
 

  • 売却時の差損が少ない

2つ目の魅力は、手放す時(売却時)、もしくは買い替える時です。
新品のジュエリーを手放そうとすると通常、買取店では、購入時の1/4〜1/10ほどの査定価格になってしまうケースが多いようです。
一方、ユーズドジュエリーは、どんなに使ってもゴールドやプラチナの相場、為替などが大幅に変動しない限り、購入時からの価値が大幅に落ちることはなく、1/2〜1/3程度で引き取ってもらえることが多々あります。
ゴールドやプラチナ相場が購入時より相場価格が高くなれば売却時査定価格が購入時より高くなることも稀にあります。

品質管理されたユーズドジュエリーは、 宝石のプロが見ても新品と間違えてしまうことがあります。

ユーズドジュエリーの最大の魅力は、見た目が新品とほとんど変わらないジュエリーを、 新品の1/2〜1/5程度で手に入れる事ができ、売却するときに購入時と売却時の価格差が新品と比べて小さな事です。

売却差損グラフ

宝石はいくら使用しても素材の品質が変わる事はありません。

ユーズドジュエリーの魅力を知っている方は、買い替えを行う方が多いことが特徴です。

アパレル業界と同様、ジュエリー業界にもデザイン等の流行のサイクルはあります。大量生産・大量消費時代から、手作りを始めとした1品ものや少量生産等、 マイノリティの時代へと移り行く中で、 ユーズドジュエリーをはじめとした1品もの商品は時代の流れであるともいえます。

 

価値観の違うブランドジュエリーとユーズドジュエリーを上手く使い分けることも楽しさの一つです。

118
  • 一般化した中古市場

 

昔は「中古」という言い方しかありませんでしたが、今は「リサイクル」や「ユーズド」、「リユース」という表現が使われるようになってきました。時代の流れとともに「中古」に対する考え方が確実に変わってきました。

個人が所有している何かを売る時、一昔前であれば「質屋」にいきました。しかし今は「買取店」「リサイクルショップ」「ネットオークション」「フリマ」が台頭し、選択肢が豊富になってきました。

質屋のビジネスモデルは「お金を作るために質草として預け、期間内に引き取れず致し方なく流す(質草として売却)」です。しかし、今は「不要なものを売却する」、これはお金を作るため、ということより、日本人特有の「もったいない」が大きな要因であると思います。

宝石・ジュエリーの中古品には抵抗感を持つ方もいます。「石には念が宿る」といわれ、中古の宝石を敬遠される方もいます。
確かに質屋の質草という扱いであれば、持ち主の引き取れなかった思いは残っているかもしれません。


しかし、時代とともに「売る理由」が変わってきました。売り手も買い手も気軽にご自身の欲しいものを得る手段として愉しむようになりました。

中古ジュエリーをリサイクル(循環)させることで、
・使わなくなったジュエリーを売った人
・お気に入りのジュエリーをお得に買えた人

 

1つのジュエリーをリサイクル(循環)させることで多くの人を喜ばせることができるようになりました。ジュエリーにおいても、ヨーロッパのように良いものが時代を超え何代にも渡って受け継がれていく文化が、根付くことを願ってやみません。

石(鉱物)の視点に立てば、この世ですでに何千万年、何億年と過ごしてきているわけですから、現代社会の数十年とか数百年など、ほんの僅かな時間です。

採掘されてからジュエリーになるまでも時間がかかり、貴重な資源である金などの貴金属も、何度も回収されて溶かされ作り直されていきます。

 

ジュエリーに関してはそもそも一般的な「新品」「中古品」という発想があまり当てはまらないのです。

 

ジュエリーが何代にも渡って受け継がれることは普通ですし、またジュエリーの素材を活かしながら新たな姿に変えることも可能です。

ジュエリーは絵画や美術品と同じように、使って劣化したり摩耗したりする一般的な中古品とは違うということを考えると今の流れは必然であると言えるでしょう。

120
  • 新品仕上げとは

 

「新品仕上げ」とは、その名のとおり、新品のように仕上げることで、具体的に以下の工程があります。

 

洗浄…細かい汚れを落とします。

研磨…細かい傷や凸凹を研磨してくすみを取り綺麗にします。

修理…サイズ直しや留め具の調整など必要に応じて修理をします。

鑑別…専門機関に依頼して宝石を鑑別します。

          

そして、見事に新品同様に蘇らせるのです。

ジュエリーを大事にする心

 

ではこのユーズドジュエリーの良い点と悪い点とは何でしょうか?

良い点の一番は何といっても価格が安いことです。

同程度の大きさの宝石や貴金属の量で考えると、初期の製作・販売時にかかるコストが省けるため、価格が安くなります。 

そしてもう一つは、今では手に入らない技術やデザインの魅力があることです。

一昔前の凝ったつくりや、失われた技術などが実感できるのもユーズドジュエリーの利点であり、ジュエリーデザインはその時代その時代を表現したものです。その時々の職人の技術など、今ではもう手に入らない素晴らしい品もあります。その時代だからこそ生まれた個性や価値があることこそが最大の良い点です。

一方、悪い点は、商品が玉石混交という点でしょう。

これはあらゆる中古品に付きまとう問題として捉えなければなりません。中には知識が不足していたり、意識がグレーな業者もいないとは言えませんので、信頼できるお店選びが重要となります。

 

 

最後に、「中古品には前の持ち主の気持ちがこもっているので、記念品や贈りものには不向きではないか」と、不安に思う方がいるかもしれません。素敵なユーズドジュエリーに出会えたが…といった心配もわからないではありません。

しかし、ここは柔軟な判断も必要です。

今まで保有していたオーナーは、「この素敵なジュエリーを他の誰かに使ってほしい!」「いい人に巡り合って!」という気持ちで手放したはずです。

ジュエリーを創ったデザイナーや職人の気持ちも、美しい宝石やデザイン・手仕事が多くの人に愛され受け継がれることは作り手の喜びです。そして市場に流通している品ということは「ジュエリーとして客観的に高い評価を受けている品」という証です。受け継がれるべき物という価値をプロに見極められているのです。

そして、人に使われてこそ生き生きと輝くことができるはずです。

 

あなたとの素晴らしい出会いをジュエリーは待っているのです。

121
bottom of page